全中社研・関ブロ中社研 夏季セミナー2015 実施報告

平成27年8月5日(水)午後3時より全中社研・関ブロ中社研夏季セミナー2015を文京区立茗台中学校で実施いたしました。今回は、岩手県大船渡市長 戸田公明様を講師にお招きして、『大船渡市 大震災からの復興の現状と課題』という演題でご講演をいただきました。また、猛暑の中、30名をこえる会員の皆様に参加していただきました。

戸田様は、2010年12月3日に市長に就任されました。その3か月後に東日本大震災・津波が発生し、これまで市長として強いリーダーシップを発揮され、大きな課題である大震災からの復興をはじめ、市政に尽力されてこられました。公務の合間をぬって、本研究会の夏季セミナーで講話をいただいたことに心より感謝申し上げます。

今回は、大きく6項目を中心にお話をいただきました。

「市長としての初動」について、迅速果敢に、適切で多様な緊急・応急対応を行われ、震災2週間後の3月26日に災害復興局を設置され、以後、復興計画を策定されていった経緯がわかりました。「大震災から4年5ケ月」では、1年目、2年目、3・4年目の年次ごとの復旧・復興について具体的にお話をいただきました。「被災地域のまちづくり」では、市中心部では、方針が決定し動き出していること、市中心部以外では住宅移転跡地買収による市有地と民有地が混在している状況であり、それぞれ課題解決に向け努力されていることが分かりました。「児童・生徒の防災教育」では、小中9年間を見通した防災教育の推進、防災教育手引の作成、多様な自然災害への対応を目指しておられることが分かりました。特に、防災マップづくりの取り組みは、参加した先生方の各学校で、地理的分野や公民的分野の授業づくりに大いに参考になるものでした。

「復興の成否」については、復興需要経済の状況と民間パワーへのバトンタッチについてお話されました。取り組み(バトン)については、起業・創業・事業拡大への支援、東北未来創造イニシアティブとの連携、岩手大学との連携、環境未来都市への取り組み、観光ビジョンの具現化についてお話いただきました。

「町・ひと・しごと創生総合戦略へつなげる」では、2060年度における人口ビジョンを作成され、人口ビジョン達成のために新しい発想で取り組み内容を策定されていることをお話していただきました。

最後に、子どもたちの明るい未来や人生が豊かになるような社会づくりや学校教育の大切さをお話いただきました。あらためて、東日本大震災の甚大な被害とこれまでの4年5ケ月の復興への取り組みについて直接戸田市長様からのお話をお聞きする機会をいただきましたことに心より感謝申し上げます。

東日本大震災・津波でお亡くなりになった方々のご冥福と被災地のさらなる復興を心よりお祈り申し上げます。

(関ブロ中社研会長 小林 誠  事務局長 吉川 修央)