全中社研・関ブロ中社研 冬季セミナー2017のご報告
平成29年12月26日(火)午後3時より全中社研・関ブロ中社研「冬季セミナー2017」を新宿区立西新宿中学校で実施いたしました。今回は、神奈川大学法学部准教授 佐橋 亮 様を講師にお招きして、『2017年は国際秩序の転換点になるか-グローバル化、ポピュリズム、ナショナリズム・・・中学生に何を学ばせていくか』という演題でご講演をいただきました。年末の多忙な時期にも関わらず、64名の皆様に参加していただきました。
佐橋様は国際政治学、その中でもアメリカの現代政治研究がご専門の新進気鋭の政治学者です。講義の最初に現代国際政治のキーワードである、「グローバリゼーション」「ポピュリズム」「ナショナリズム」「パワーシフト」などの重要概念を多くの実例を挙げながら、ていねいに説明してくださいました。うなづきながら説明を聴いているうちに、日頃ニュース等で何度も耳にし、わかっていると思い込んでいたこれらの用語について、実はぼんやりとしか、そして表面的にしか理解していないことに気付かされました。後半は「アメリカ・ファースト」を突き進むトランプ政権について、①誕生の背景 ②現在の政権の状況 ③国際秩序への影響、という3観点から解説してくださいました。約90分の講演でしたが、私たちの知的好奇心をかき立ててくださるお話ばかりで、あっという間に時間が過ぎていきました。
私たち中学校の社会科教師が授業で取り上げる内容は、大部分が「過去」と「現在」であって、「未来~これからどうなっていくのか、これからどうしていくか」について話すことはほとんどないように思います。だからこそ、現在を研究する先端の学問についての講義を聴き、未来を深く考えることは、これからの社会科教師にとって必要なことではないでしょうか。今回の冬季セミナーが私たちにとってたいへん重要なことに気付くきっかけになったとしたら、幸いです。
最後に、JR線・私鉄線 新宿駅から徒歩10分という至便の会場を提供してくださった新宿区立西新宿中学校 佐藤 政明校長をはじめとする教職員の皆さま、ありがとうございました。
(全中社研事務局次長・関ブロ中社研事務局長 吉川 修央)